sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
■契約しろ
【梢side】
私が鉄工所も家族も救う────!!
そう、決めたところまではよかったのだけれど。
「えぇ!?借金、利息元金合わせて一億円!?」
実家に帰ったその日に結局また東京に戻ってきた私は何となく紗栄子の部屋に帰り辛く、ネットカフェに泊まることに。
携帯の番号が変わっていなかった弟の翔太と連絡が取れ、恐る恐る借金のことを尋ねたのだ。
い、一億円って……そんな大金……っ
ふふ、福沢諭吉が一億枚…!?
そんな大金見たことないよ……
「姉ちゃん、今どこ住んでんの。入学してすぐ学生寮出たってことしか俺知らねぇんだけど。」
………へっ、わ、忘れてた……。
入学してすぐ、私は陽介のマンションに転がり込んだ。
お母さんには学生寮出るんだ、ぐらいしか言ってなかったし……それ以来連絡もしてなかったし……
友達の家に居候してるだなんて……姉的に言えない。
ずっと黙り込んでいると、電話の向こうからフッと笑った声が聞こえてくる。
「もしかして………男んトコ、とか」