sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
それからという私は就職活動を止め、バイトを掛け持ちし朝から夜まで働いた。
紗栄子に事情を話すと、私も協力すると言ってくれたけど……これ以上迷惑かけられない。
そろそろ部屋も出て行かなくちゃ……
夕方まで飲食店で働き、夜にはネオンが煌びやかに光る歌舞伎町の一角にあるお店。
要するに……キャバクラ。
このお店の面接の時は相当年齢を疑われた。
高校生は働けないからねぇ〜って、私22歳ですけど!!十分オトナな女なんですけど!!
私ってそんなに幼く見えるのかな……
それをお店の女の子に言うと、大人っぽく化粧してくれて……鏡に映ったのは別人の女の人みたいだった。
慣れない高いヒールに胸元が大きく開いたドレスでお店に出ると、常連客の斎藤さんが席を立ち上がって私に手を振った。
「ハナちゃーん、待ってたよ〜こっちおいで〜」
「斎藤様、いつもありがとうございます」
ニコリ、と出来る限りの笑顔で上品に微笑むと彼は私の腰に手を回して席についた。