sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
斎藤様が店を出てから、私は全く仕事に身が入らなかった。
待ってるよって……そういう、こと…だよね。
更衣室で着替えていると、数名の従業員の女の子たちの声が聞こえてくる。
「え、アミちゃんこの後アフター?」
「まぁね〜〜原野のオジ様断ったらうるさいし〜もう慣れたもんよ」
あ、アフター……
テレビとかでよく聞いたことあるような……
ドキドキしながら着替えていると、後ろから声が掛かる。
「あ、ハナちゃ〜ん!最近、斎藤さんといい感じよね?このままいくと早く借金返済出来るんじゃない?」
……え?
早く借金返済出来るって……
「どういう意味ですか…」
「どういう意味って、そのままの意味よ。あの人なら、簡単そうだからすぐ金出しそうだよね〜。一回寝て、すぐ捨てちゃったら?」
キャッキャと笑う女の子たち。
何なのそれ……
仮にもお客様をそんな風に言うなんて……
私はギュッとバックを掴んで足早にお店を出た。