sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「私で…司さんの婚約者は務まるでしょうか…」
今の私に選択肢はない。
「フッ、やっと契約する気になったか。務まるか務まらないかは俺が決める。務まらないと踏んだ時には容赦なくお前を捨てる。」
冷たい瞳で私を見据える。
血も涙もないな……
でも、彼らしいや。
「私も貴方を利用させてもらいます。早く就職先見つけて、さっさとこの契約終わらしてみせますから。」
今はこの選択肢しかない。
人を利用してまで家族を救う事に抵抗はある。
でも今は、考えている場合じゃないの。
家族のためなら何だってするよ。
「フンッ、面白い。これで契約成立だな。安藤梢、お前は今日から俺の婚約者だ。覚悟しておけ。」
不敵に微笑んだ一ノ瀬司。
私も負けじと見つめ返す。
絶対、利用して私が先に捨ててやる。
こうして、私は一ノ瀬司の
偽婚約者になることを決めたのだった───。