sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
■甘くない同棲生活スタート!
「アパート見つかったって…本当に大丈夫なの?」
一ノ瀬司と偽装結婚の契約した翌週、私は荷物をまとめ紗栄子のアパートを出る準備をしていた。
「ま、まあね!就職先も何とか決まったし、借金も返せることになったし!紗栄子、今まで迷惑掛けてごめんなさい。本当にありがとう。」
全部、一ノ瀬司との偽装結婚だけど。
紗栄子に本当のことを言うと心配かけるから言えなかった。
紗栄子に感謝の言葉を言った私はそのままアパートを後にした。
一ノ瀬司には昨日、会社に来るように言われていた。
何でも、住む家を私に紹介してくれるらしい。
あの俺様御曹司にしては優しいのかも……
二度目の高層ビルを目の前に私は溜息。
相変わらず入りにくいな……
警備員さんに訳を話して中に入れてもらい、受付員の女性に案内してもらう。
30階に向かい、エレベーターを降りるとすぐ
天井が高い広々としたオフィスが。
シックで落ち着いた内装に一ノ瀬の品格みたいなものが感じられた。
忙しなく動き回る社員たちは私に見向きもしない。
一ノ瀬司に呼ばれたのはいいけど、こんなとこいていいのかな……
辺りをキョロキョロしていると、長身の男性がニコニコしながら近づいてきた。