あなたへ
「ねぇ…。」
そういって、ケンタがのばした手は私の顔へと伸びてきた。
そして、次の瞬間には…。
キスされていた。
「……っ!!」
しかも、アスカとすらしたことがない程長いキス。
ケンタの体を、私の体から離したいのに。
びくともしない。
これが、男の子の力…?
もう、私にはどうすることもできない……の??
ゴメンね…アスカ…。
私は、あなたの事を裏切ってしまった。
「…ピッ。」
え??何の音…?
もしかして…、動画とってたの?
「これを、あいつに送ってほしくなかったら…。俺の言う通りにしろ。」
なんで…?
なんで、私がそんなことされなきゃいけないの…?
「返事は?」
「…はい。」
「じゃ、用があるときメールするから。」
…もう、アスカに顔向けできない…。
こんなことしておいて付き合うなんて…。
ごめん、アスカ……。