あなたへ





「おまたせー!ごめんごめん。着替えるのに時間かかって…。」



「んーん。いーよ。」





ミリアはそーいいながら車に乗せてくれた。やっぱりミリアは可愛い。洋服はふわふわしてるけどかわいすぎてなくて、ちょっとインパクトが強い感じ??って言うの?わかんないけど。とりあえずミリアはかわいらしい。




それに比べて私は、全然かわいい感じじゃなくてどっちかっていうとスポーティな感じ。アスカとのデートの服とは大違い。てか今思ったのが、アスカに会ったらどうしよう。





……って、会うわけないよね??ミリアはそんな私の心の葛藤が表に出てるのを、ふふっ、と鈴を転がすように笑った。





「そんなにおもしろい??」



「うん。てか前から思ってたけど、ノアって全部顔に出るよねー。」






そうかな?出来るだけ表に出ないように頑張ってたんだけどなぁ…。




「でもそれっていいことだよ?だって、裏表がないってことだから。」




ね?とミリアは言って微笑んだ。この笑顔には女の私でもドキドキする。男子にモテるわけだ。やっぱりね、私とは大違いで……。





そんなことを考えてる間に、ミリアが「ついたよ。」と声をかけてきた。こんなところに来るのは久しぶりだな……。アスカとのデート以来ってとこかな…?






「アスカともここ来た??」


「へっ??」




突然のことで、声が裏返ってしまった。ミリアは何でもお見通しなのか。




「やっぱね。で、今も好きなの??」


「…まーね。好きって言うか。なんていうか…。」





いっそのことミリアに教えてすっきりするか…?それとも……。




「いやならいいんだよ。無理に言うことじゃないし。」





やっぱりミリアは優しいな…。私は、これからもミリアのこういう優しさに助けられることになる。






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