あなたへ
「プリ機はこれが1番写りがいーよ。」
「へぇー、そんなのあるんだぁ。」
プリとか、本当久しぶりだな。
「今回はうちが誘ったから、うちが払うよ。」
「えっ!?いいよ。だって、ミリアに悪いもん。」
「いーの。また、恋の話聞かせてね??」
「うん……。」
本当にいいのかな。でも、ミリアってお金持ちっぽいからな。
「ナチュラルにする??くっきりにする??」
「どっちでもいーよ?」
「おけー、じゃあくっきり!」
そのあとミリアとワイワイ言いながら落書きまでした。プリが出てくるのを待ってると、ミリアが言った。
「そーいえば今日、野球部の男子が言ってた。今日あそぼーぜ、って。アスカだったかも。」
アスカ、遊ぶんだ。
「ちょっと両替してくる。」
「わかった。」
かわいく写ってるかな??いや、元がそんな可愛いわけじゃないから。プリでどんなにもっても可愛くはならない。
「あれ?ノアじゃね??」
えっ?この声は………。
「アスカ……と、アサヒ。」
まさかの予想的中!!アスカだ、アスカがいるんだ。こんなことなら、もうちょっ
と女の子っぽい服着てこればよかった。
「誰と来てんの?」
「えっと、ミリアって子。」
やだ。なんか、変に緊張しちゃう。
「ノアこそ。ミリアって違う小学校だったよな?」
「あ、うん。同じ部だから。」
やっばー!!手汗が…どうしよう。てか、ミリア早く帰ってきてよっ!
「ごめんごめーん。なんかいっぱい並んでて、遅くなった―ー、てアスカとアサヒやん。」
「あ、ミリア。遅いよー!!2人にはさっき会ったの。」
「そーなんだ。ならさ、一緒に遊ばない??」
えーーーーーーーー!!ミリア、それは無茶な……。
「おぉ、俺はいいぜ?アサヒは??」
「賛成。」
「アサヒがおとなしい。さては、ノアがいるからなの???」
え、ちょっとやめてよミリア。そーゆーのは良くないと思う…。
「さぁーな。てか、早くなんかしよーぜ。」
「あ、話ずらした。ま、いーか。なにする?」
「プリでもとる?記念に、ね?」
アスカとプリ……。やばい…。緊張する………。
「このプリ機でいい?」
「うん。」
「あ、ここは男子のおごりね。」
「……しかたねーなぁ。」
うっわ、優しーーー!!さすがアスカだよ。横顔に見とれてしまう私。別れているのに彼女に戻った気分。だめだなぁ、私。アスカに、まだまだべた惚れ。
「とるよー♪」
ミリアとアスカ、なんか楽しそう。いーなぁ。でもアスカ、意外にふつーだったなぁ。そんなものなのかなぁ??みんなで、ピース&最高の笑顔でキメる。私の上にはアスカがいて、私の隣にはミリア、ミリアの上にはアサヒがいる。
アスカが自分の真上にいると思うと頬が赤くなる。それを見たアスカが「ノア、なんか赤くね?」と突っ込む。ドキッとして、心臓が爆発しそう。何気なく、「そーかなぁ。」と答える。
するとミリアが小声で、「いい感じじゃん。」と肘でこずいてきた。そんなわけないじゃん。だいたい、アスカはずるい。
私はこんなに好きなのに、アスカはふつーに喋りかけてくる。諦められないよ。