キミに告白




『ずっと可愛く性格がいいやつ』



なんて、客観的に見ても、多分藤沢より可愛い女子は学年内にはなかなかいないだろう。


今まで藤沢しか見てこなかった俺としては、他の女子の可愛さなんて分かったものではないが。






「…絶対、怒ったよな」


「は?」


「は?」






俺が呟いた言葉に間抜けな声を出すハル。


俺も間抜けみてぇじゃんかよ。





「なんだよ、ハル」


「いや、お前って馬鹿なの?」


「ああそうだよ馬鹿だよ」


「いやそういうことじゃなくて…
 確かにマヒロは馬鹿だけど」


「ふざけんなクズが」


「自分で言った言葉だろうが」



…だから、そうじゃなくてだよ

ハルはゴホンと咳払いをして、俺の顔を真剣そうに見つめた。




…え、なになに

気持ち悪いんですけど。








「お前、さっきの藤沢見て本当に怒ってると思ったわけ?」


「は? 違うの?」


「あ、こいつもうダメだ」


「はやく本題入らねぇと殴る」





ハルはその言葉に焦ったようにして、次にため息をついた。

…だから、いったいなんだって言うわけ?


…さっきの藤沢が、怒ってないって言うわけ?





< 20 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop