キミに告白




涙を見せる藤沢の顔は赤くて


でもどこか、苦しそう。





どうすればいいのか分からず、俺はただ立ち尽くす。







「もう、遅いよ、マヒロ……」




藤沢に名前を呼ばれるのは、いつぶりだろう。


嬉しさで、また心臓はうるさくなる。






「藤沢………」


「マヒロなんて、大っ嫌い」


「え………」





なにこれ、振られた?



…でも、藤沢って確か、いっつも同じ断り方してるってハルが………






「いっつも意地悪ばっかしてくるし

 わたしのこと、女子として見てくれたことないんじゃないかってずっと思ってた」


「それは…ごめん」


「でも

 本当はすごい優しいの知ってるから

 嫌いって、いつも言い合うけど、本当は嫌われてないんかないって思ってた」




藤沢は、まだ泣いてる。

でも、そのまま喋り続ける。







「………今さら好きなんて、言わないで
 もう、遅いよ」




その言葉の意味は、すぐに理解できなくて。


―――でも








< 33 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop