恋 文 日 和
「あ、そうだ!」
ふてくされるあたしを横目に、玲は思い出したように手をポンと叩いた。
「ねね、日和!」
騒がしい朝の教室で、玲があたしの耳元に唇を寄せてこっそりと耳打ちしてくる。
それを聞いたあたしは
「えぇっ!?む、無理だよ!無理っ!」
そう言ってブンブンと頭を横に振って見せた。
「なーに言ってんの。それくらいしなきゃ、仲良くなれないよ?」
「べ、別に、仲良くなりたいなんて…。」
…思ってない訳じゃないけど、今のままで十分幸せだし、同じクラスってだけで満足なのに。
そう玲に告げたら
「日和って幸せ者だよねぇ。」
なんて言われ、溜め息をつかれた。
「ま、どーするかは日和次第だよ!」
「だ、だからいいもん!今のままで!」
「ふぅん。じゃあいいけどー。」
そんな話をしてるうちに担任が来て、朝のホームルームが始まった。