恋 文 日 和


その言葉に、あたしは再び河原へ目線を向けた。


消えてはまた光を放つ、ホタル。

だけど、その光が途切れる事はなくて。



…まるで、あたしの心を映したよう。

神楽くんに恋をして
道に迷って。

傷ついて、それでもやっぱり好きで。


苦しくて、泣いて
けど、想いは消えなくて。



例え、それが一方的な想いでも
一度灯した恋心は簡単にはなくならない。



この、ホタルのように
あたしの恋も、何度でも光るんだ。




「菊井、」

「…うん?」


ふいに呼ばれた声に顔を上げて返事をすると

「菊井は、好きな奴とかいんの?」

なんて、あまりに不意打ちな問いかけ。


「え!?な、何で、」

「いや、いるのかなーって。」


いるのかなーって、言われても…。



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