恋 文 日 和
あぁ、どうしよう。
神様、仏様。
その他もろもろ、あたしを見守ってくれてるであろう、ご先祖様。
あたし、今が一番
幸せかもしれない。
こんな綺麗な世界で、神楽くんの笑顔を
独り占めにしてる。
この時間が、永遠ならば。
ぎゅっと胸の上で握った手のひらに、微かに残る
神楽くんの温もり。
優しい、感覚。
心が、気持ちが
破裂しちゃいそうだよ――…。
「さて、ここで朝を迎えるのもいいけど、そろそろ戻ろっか。」
立ち上がった神楽くんは
ジーパンについた埃を払いながら振り返った。
「あいつら、きっと心配してる。」
そう言いながら、懐中電灯に明かりを灯す。
砂利を蹴る靴音に、あたしの視線が神楽くんを追いかける。
「神楽くん!!」