恋 文 日 和
呼び止めたあたしに、神楽くんは足を止めて
「どうした?」と首を傾げる。
言わなきゃ。
言わなきゃ、きっと後悔する。
「あのね、あたし…、」
ドキドキが、加速する。
懸命に命を輝かせるホタルが、あたしの背中を押してくれた。
「あたし…、いるよ!」
「え?」
少し離れた距離が、もどかしく感じる。
けど、あと少し。
「好きな人、いる!」
この距離が、もう少し縮まって
もっと、もっとあなたに近づけたら。
「そっかぁ。」
「うん…!」
その時は、きっと
ちゃんと伝えるから。
好きです。
神楽くん、あたし…。
神楽くんが好き、です。