恋 文 日 和
夏が、弾ける。
恋が、波に溶けていく。
思い出に、優しいあなたの笑顔。
「日和ぃ~!!」
「わあっ!」
迷いに迷って、ペンションに帰ったのは
肝試しに行った4時間後。
真っ青な顔して飛びついてきた玲がおかしくて。
「何笑ってんのよっ!本当に心配したんだからねーっ!?」
「あはは、ごめんね。」
玲の気持ちが、嬉しくて。
「マジ、捜索願い出す所だったぜー。」
「あのなぁ、大体お前のこの地図がデタラメすぎんだよ!!」
「はあ?神楽が方向音痴なんだろ!」
「んだと!?」
神楽くんと桜井くんのやりとりに
あはは、と夜空に響いたみんなの笑い声。
きっと、あたしたちは
また道に迷う事もあるだろう。
だけど、そんな時程、笑って。
わざと寄り道してみればいいんだ。
辿り着いた先には、今まで見えなかったモノが見つかるはずだから。