恋 文 日 和


神楽くんはペンションでのバイトをしてから、本格的にバイトを始めた。

前々から考えてはいたけれど、あのバイトを経験してやろうと思ったんだって。



決めたら即行動。
そんな所が神楽くんらしい。


何でカラオケボックスなの?と聞いたあたしに

『時給がよかったから。』
そうメールで話してくれた。



そんなこんなで、今日
神楽くんが働くカラオケに、みんなで押し掛けたって訳です。はい。




「…お待たせしましたー。」

「おっ、待ってましたぁ!」

部屋に入って数分後、あたしたちが注文したジュースを持って来てくれた神楽くん。


ぅうー、やっぱりかっこいい…。


トレーからジュースをテーブルに並べる神楽くんは、思いっきり仏頂面で溜め息をついてる。


「結構さまになってんじゃん、神楽!」

「うるせ。」

桜井くんの言葉にも顔色一つ変えずに答えて。



…あれ?
もしかして、本当に怒ってる?

小さな不安があたしの中に生まれる。




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