恋 文 日 和


でも、これだけ綺麗なんだもん。

きっと彼氏だっているはず。



心配する事、ないよね?




「あ、ヤベっ!俺店長にカウンター頼まれてるんだった!」

「嘘?じゃあ早く行かなきゃじゃん!」

「すいません!じゃ、菊井頑張ろうな!」

「あ、うん!」


バタバタと、慌ただしくカウンターへ向かった神楽くんの背中が消える。


そして二人きりになったあたしとリサさん。


急に訪れた沈黙に、先に口を開いたのはリサさんだった。



「ねぇ、菊井さんって…。神楽くんの事、好きなんでしょ。」

「へっ!?な、何で、」

余裕を見せる彼女の言葉に、あたしの体温が再び上昇する。


ふふ、と笑ったリサさんは

「見ればわかるよ。」

長い髪を揺らしてそう言った。




やっぱり、あたしわかりやすいのー!?

初対面の人にもバレちゃうなんて…。



最悪だぁぁぁあ!




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