恋 文 日 和
一人きりになった休憩所で、あたしはその場に座り込んだ。
何かがおかしい、そう感じてはいた。
さっきだって、転んでグラスを割ってしまったんじゃない。
…誰かに、背中を押されたんだ。
「…もうやだぁ、」
泣いたって、どうにもならない。
でも涙が目の奥から溢れてくる。
悔しくて、悔しくて。
もう、何度目だろう。
ミスをして、こうやって一人で泣くのは。
でも、誰に言ったって信じてもらえるはずない。
だって――――…
「お疲れ様。」
その声に、下げていた顔を上げる。
瞬間に、体が強張ったのがわかった。
「リサさん…。」
「酷い顔。それじゃフロアには戻れないんじゃない?」
化粧崩れ一つしていない完璧な笑顔があたしを見下ろしてる。