恋 文 日 和
あはは、と笑い声が教室に響く。
窓から見える青空は、突き抜ける程に広くて。
「好きなんだよ、リサさんだって。神楽くんの事、それだけ…好きなんだよ。」
「日和……。」
由芽ちゃんの事
勝手に勘違いして
彼女がいるんだって、そう思った時
本当に苦しかった。
「だから、わかる。」
想われている彼女に対して
嫉妬だってしてた。
「好きだからこそ、同じように神楽くんを好きな子、嫌だって思うのは当たり前だもん。」
好きだからこそ
ライバルを蹴り落としたい。
自分だけを見て欲しい。
そう、思うんだよ。
「平気だよ、あたし。負けないから。」
少なくとも
あたしは嫌がらせし返す勇気なんてないけど
でも、この気持ちはそんなんじゃ折れたりしない。
「大丈夫。」
そんなんじゃ、負けたりなんて
してやらないんだから。