恋 文 日 和
ぎゅっと目を瞑って緊張に耐えていたら、ふいに聞こえたクラスメイトの言葉。
「てか、玲がやれば?」
……へっ!?
「えっ、あ、あたし!?」
さすがの玲も驚いたように瞬きを繰り返す。
一方、教室はその提案に再びざわつき始めた。
「確かに、玲は率先力あるしね!」
「うん、言えてる!玲が一番合ってる!」
「んじゃあ、瀬宮と神楽に決定ー!」
「…ちょ、何であたしが!?」
そんなクラスメイト達の反応に玲が慌てて反論を見せるけど、時すでに遅し。
多数決でも圧倒的に玲は支持され、あたしの出番なんかこれっぽっちもなさそう。
「それじゃあ、一年間このクラスの委員長は神楽と瀬宮だ。頑張れよ、二人とも!」
先生の掛け声に、教壇の前に立つ玲と神楽くんに拍手が送られた。
ほっとしたような、ちょっと複雑なような…。
どちらとも言えない気持ちのまま、あたしもみんなと同じように拍手をした。