恋 文 日 和


何で
気が付かなかったんだろう。


いつもそうだ。
あたしはいつだって、自分の事ばかり。

周りなんか見えてなくて
自分のいいように考えて。



玲はきっと何度も、あたしにサインを出してたはず。

救いを
求めてたはずなのに―――…




どうして
どうして、

そればかりが、あたしの心を支配していく。



玲は一体
あたしの話を聞いてて

何て思ってたんだろう。


辛いのはあたしだけじゃない。

玲は、もっともっと
辛い日々を繰り返してきたんだ。


それなのに
いっつも笑顔で、あたしを励ましてくれて。

いつも、あたしに笑顔くれてた。



その度に
傷が増えていくとわかっていても

あたしの、為に。


あたしが欲しい言葉を
くれていたんだ。



…玲、ごめんね。

気が付けずに、自分の事ばかり考えて。



本当にごめんなさい。







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