恋 文 日 和
そんな中
最初に扉を叩いてくれたのは
「…久し振り。」
桜井くんだった。
授業中、ふいに震えた携帯。
画面には桜井くんからの、シンプルなメールが受信されていて。
“ちょっと話せる?”
あたしに、何が出来るだろう。
どうやったら、みんなの力になれる?
考えたって、答えなんか出ない。
でも、こんなあたしにも
きっと、出来る事があるはず。
そうだよね?
神楽くん……。
「久し振り…。」
待ち合わせた、駅前のファーストフード店の一番奥の席。
そこには
少し痩せたような桜井くんが
シェイク一つだけであたしを見上げていた。