恋 文 日 和

最近のあたしは泣いてばっかり。

悲しかったり、悔しかったり、辛かったり。


でも流す涙で、一番綺麗なのは
嬉し涙なのかもしれない。

こんな温かい気持ちなのに
涙が出るなんて、人間ってホント不思議だ。



「日和？」


その呼び掛けに、濡れたままの頬で顔を上げると

「神楽が、好きなんでしょ？」

玲が眉を下げて、そうあたしに尋ねる。


それがまた一粒の涙を呼び寄せて
何も言えないまま、あたしは何度も顔を縦に振った。



神楽くんが…好き。

どうしようもなく、好き。


もう、自分じゃ手に負えない程
いつだって思い浮かぶのは、あの笑顔で。



誰にも、渡したくない。

誰にも、その笑顔を向けないで。



「なら、今するべき事は一つ。でしょ？」

「…れぃ～…。」

「ほら、泣くな！それじゃ、神楽がビックリするじゃん！」