恋 文 日 和
空が段々と茜色に染まってゆく。
優しい色に照らされた涙。
なのに、あたしはこんなにも醜い。
心が、願ってる。
リサさんがフラれる事を。
神楽くんがフッてくれる事を。
酷い女。
誰かのフシアワセを願うなんて。
あたしは、きっと
シアワセになんてなれないような気がした。
夕焼けに色付く息が詰まりそうな空間で、リサさんの声が響く。
「…どうして、何も言わないの?」
「……いや、」
明らかに戸惑ったように答える神楽くん。
その戸惑いが、あたしにも伝わってきて。
少し苛立った口調でリサさんが言った。
「誰か、好きな子…居るの?」