恋 文 日 和


『そうなのよ~ごめんねぇ、いつも買いに来てくれてるのに…。』

愛想のいい購買のおばちゃんが申し訳なさそうに告げる。


だけど忙しいのか、すぐに仕事に取り掛かるおばちゃんを見届けてあたしと玲は仕方なく教室へと戻り始めた。



『ごめんね、あたしが遅かったから…。』

一年生の教室へ続く渡り廊下で、前を歩く玲に声を掛ける。


『なぁに、日和が謝る事ないって!おばちゃんが言うにはうちらが来る5分前には売り切れてたらしいし。』

『そうなんだ…。』


やっぱ、みんな好きなんだなぁ、あのクリームパン。

美味しいもんね。


でも、食べたかった…。



はぁ、と溜め息をついて階段を上り始めると、大きな笑い声が聞こえてくる。

そしてポトン、とあたしの頭上から何かが降ってきた。




………え?これ、




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