恋 文 日 和
「まだ気にしてるの?」
玲の言葉に、ウィンナーに刺したお箸を持つ手が止まる。
「そんなに気になるなら直接聞いちゃえばいいのに。神楽なら言ってくれるよ。」
「…………、」
俯いたあたしに、玲はずいっと身を乗り出して言った。
「気になる子、もしかしたら日和かもしれないじゃん!」
「そ、それはないよ!…あたしなんか、」
「日和!」
怒が利いた玲の声に、思わず肩がびくっと上がる。
「前にも言ったでしょ。その言葉嫌いだって。」
「…ごめん……。」
しゅん…と肩を落とすあたしに、玲の大きな溜め息。
そんなあたしを見て、玲はパンを頬張り
「日和はいつもマイナスに考えすぎ。もっとプラスに考えてみたら?」
そう言いながら、食べ終わったパンの袋をくしゃっと手で丸めた。