恋 文 日 和
………………
『だから、リサさんとは付き合えません。』
神楽くんの言葉が
今も耳に残ってる。
あの日
神楽くんはリサさんの告白をハッキリと断った。
多分、自信があったのだろう。
断られたリサさんは、放心した様子で学校から去っていった。
嬉しいはずなのに。
やっと、リサさんから解放されると思っていたのに。
『気になる子が…います。』
あの言葉が
あたしの心に暗い影を落としてる。
あたしは弱虫で
情けない程、臆病者だから
“気になる子って誰?”なんて聞けるはずもなく
ただ、悠長に過ぎてゆく季節に埋もれ
やり場のない気持ちを抱えたまま、代わり映えしない毎日を送っていた。
そんな時だった。
こんな毎日に、突然
変化が起きたのは。