恋 文 日 和
あたしはそんな二人を横目に、ポケットの中のチケットを取り出した。
二つ折りにしたそれを開く。
どうしよう、これ…。
ちゃんと断らなきゃいけないのに、突き返す勇気もない。
かと言って、行く訳にも行かないし…。
あたし、本当何してんだろ…。
はぁ、と溜め息を落とし
自己嫌悪に陥っていると
「本当だ!超可愛いじゃん!」
玲の高揚した声が響いた。
「ほら、日和!見て見て!」
「あ、う、うん!」
思わず慌ててチケットを隠すあたし。
そして玲に言われた位置から窓を覗き込んだ。
「あれ…?あの子…。」
ポツリ、と呟いたあたしに
玲が「知り合い?」と尋ねてくる。
「ううん、違うんだけど、」
でも、どこかで…。