恋 文 日 和
そんな事で恋に落ちる自分を、周りはきっと安易だと笑うかもしれない。
だけど、買えなかったクリームパン。
それを『あげる』と言ってくれた彼、神楽くんをもっと知りたい、って思った。
あの笑顔を、ずっと見ていたい。
そう思ったの。
着崩した学ランに
少し茶色の髪。
すれ違った時に感じた、すらっとした身長。
えくぼが出来る優しい笑顔。
笑うともっとタレ目になる柔らかい瞳。
彼の全てが、あたしを引き寄せる。
廊下で見掛ける度
あ、笑ってる。とか、
今日は何だか眠たそうだなぁ。とか、色んな彼を知って。
恋ってきっと
そんな些細な出来事さえも、嬉しく思えたり
幸せに感じられるから
素敵なんだと思った。