恋 文 日 和
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…………………………
「日和ー!!」
階段下から聞こえる声に
布団を頭まで被る。
ぬくぬくとした温もりに包まれながら
瞳を固く閉じた。
何度も名前を呼ばれ
それでも尚返事をしないでいると
「日和、いつまで寝てるの!」
バタン、と勢いよく開いた扉に
お母さんの声が布団越しに聞こえる。
「全く、あんたは冬休み始まってから寝てばっかり!」
今日は大晦日だって言うのに、とブツブツ愚痴り始めたお母さんに
渋々布団から顔を出し、不機嫌を露わにして尋ねた。
「…で、何?」
「何じゃないでしょ!玲ちゃん、来てるわよ!」
「え?」
…玲?
その言葉に重たい体を起こすと
「ひーより!プリン買って来たよ~!」
扉から玲が、ひょっこりと顔を出す。
「玲……。」
呟くと、玲は笑顔でプリンを顔元まで掲げて笑った。