恋 文 日 和
3
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眠れなかった。
どんなに目を閉じても
どんなに気を紛らわそうとしても
浮かんで来るのは、神楽くんの笑顔。
そして、隣で笑う美咲さん。
布団に包まれた体は暖かいはずなのに
何故か、肌寒くて。
決まって眠りにつくのは、泣き疲れた朝方だった。
夢の中では
みんな、幸せそうに笑ってる。
神楽くんも
玲も
桜井くんも
あたし、も。
みんな、楽しそうに笑い合ってる。
なのに現実は
どうしてこんなにも
冷たく、あたしを突き放すんだろう。
泣かないように
いつも、笑っていられるように
夢の中で、生きていられたらいいのにな…。
過ぎる想いに、目を擦りながらカーテンを開ける。
朝の光が、憂鬱な毎日を連れてきて。
すぅ、っと息を吸い込んだあたしは
二週間振りの制服に着替え、リビングに続く階段を駆け降りた。