恋 文 日 和
可愛くなりたい。
好きな人の為に。
―――神楽くんの為に。
「努力して、自分を磨く前に諦めちゃダメ。諦めるよりも、可愛くなる為に頑張って、それでぶつかった方がよっぽどかっこいいじゃん。」
「……玲…。」
…うん、そうだよね。
玲の言う通りだ。
自分に自信がないからって言い訳して
本当はただ、怖かっただけ。
神楽くんに気持ちをぶつけて、嫌われてしまうなら今のままでいい、って言い聞かせて。
…バカだな、あたし。
まだ、スタートラインにさえ立ってないくせに。
諦めたら、そこで終わりだって事。
今更、気が付いちゃったよ。
「だから、もう“あたしなんか”なんて言わないでよね。」
「…うぅ~、玲~…。」
「わぁ、バカ!泣くな!せっかくお化粧したのにぃーっ!」
…ありがと、玲。
あたし、もう少し
頑張ってみる。
神楽くんに、気持ちを伝えられるその日が来るまで。
頑張ってみるよ。