恋 文 日 和
「神楽、おはよー!」
と、神楽くんに気付いた玲が大声で彼に手を振った。
いやぁぁ!
玲のバカ、バカ!!!
まだ心の準備がぁぁ!
今にも口から心臓が飛び出そうな程、バクバクと煩いあたしの鼓動。
ついでに冷や汗なんか出ちゃって、もう緊張はピークの天辺。
そんなあたしの心とは裏腹に、呑気な神楽くんの声が聞こえる。
「おはよ。てか、何?何の騒ぎ?」
心なしか、神楽くんの声が抑揚してる気がして、あたしは玲の背中にピッタリとくっついた。
変わったあたしを見て彼がどんな反応するのか、想像すら出来ない。
と言うよりも、その反応を知るのが怖い。
もう、この場から今すぐ逃げ出したいっ!
「神楽、菊井さんがさ!」
口火を切った桜井くんの言葉に、玲があたしの腕を引いた。
「イメチェンでーす!ちなみにプロデュースはあたし!」