恋 文 日 和
神楽くんに恋をした当時は
恋が、こんなにも苦しいなんて思わなかった。
もっと輝いてて、楽しくて
毎日がドキドキで包まれてて
それが恋なんだって、そう思ってた。
だけど、彼を近くに感じる程
距離が縮まる程、欲が深まって。
もっと、もっとって欲張って。
その結果が、これだ。
…でも
でもね、神楽くん。
それでもあたしは
あなたに恋をして、後悔はないんだよ?
傷ついて、泣いて
潰れるような痛みを感じても
それでも、あなたを好きにならなければ…。
なんて、どうしても思えないんだ。
だって、あなたに恋をしなければ
玲との間に、こんな絆も生まれなかっただろうし
桜井くんの事だって、ただのクラスメートにしか思えなかったと思うから。
そして、何よりも
神楽くんの笑顔に、何度も幸せをもらえたから。
…やっぱり、好き。
そう、思ってしまうの。