恋 文 日 和
何度も同じ事を考えて、何度も同じ事を自分に問いかけた。
だけど、結局答えなんか出なくて。
でも、最後に思う事は
いつも同じだった。
“神楽くんの傍で、あの笑顔を見ていたい。”
その為には、あたしは
どうしたらいい?
どうしたら
この願いは届くのかな―――…
そんな事を考え
宛てもなく過ぎてゆく日々を繰り返し
気が付けば、2年生でいられる時間が両手で数えられるくらいになった頃
変化が起きた。
「菊井さーん。」
帰り支度をしていると、突然クラスメートに呼ばれて
「呼んでるよ。」
「え?あたし?」
ふっと扉に視線を移すと、そこに居たのは……。
「……三上くん…。」
「…久しぶり…。」
少しだけ痩せたような、三上くんの姿だった。