恋 文 日 和
「…美咲は、俺の幼なじみなんだ。」
「え……?」
幼なじみ…?
「って言っても、俺は私立の中学だったから、神楽の事は知らないんだけど。」
はは、と乾いた笑いが三上くんの口から漏れて。
「じゃあ、」
少し間を空けて
あたしが呟くと、三上くんは視線を移す。
「じゃあ、もし私立じゃなかったら…神楽くんと同じ中学校だったって事…?」
「……そうゆう事に、なるね。」
疑問だった事が、まるでパズルのように埋められてゆく。
美咲さんと三上くんは幼なじみだった。
そして、神楽くんと美咲さんは同じ中学校で…。
ダメだ。
まだ、ピースが足りない。
まだ、たくさん疑問はある。
「…でも、どうして、」
どうして、三上くんはあたしを騙す事になったの?
言おうとした言葉は、混乱した頭のせいで思うように喉から出て来ない。
そんなあたしを見て
三上くんは静かに続きを語った。