恋 文 日 和
昨日まで
あんなに曇っていた心は、ようやく晴れ間を覗かせた。
恋には色んな形があって。
家庭がある人を、好きになってしまったり
友達って枠から抜け出せなくて、好きって言えなかったり
関係が壊れる事を恐れて
告白する勇気がなかったり
本当に、形は様々だ。
だけど、どんな形であれ
人を好きになる、恋をするっていうのは
やっぱり、素敵な事だと思う。
楽しいばかりじゃない、毎日笑っていられる訳じゃない。
それでも
人は、誰かと寄り添っていなきゃ
生きていけないから。
「菊井さん!」
背を向けたあたしを、三上くんが引き止めた。
「最後に、一言。」
「え?一言?」
首を傾げるあたしに、三上くんは言った。
「神楽、美咲からのチョコ、受け取らなかったって!」
「へ?」
「どうゆう意味か、わかる?」
投げられる質問に、あたしの首は更に傾いてく。