恋 文 日 和
指先を神楽くんの背中から離すと
どっと汗が噴き出てきた。
震えが止まらない。
…言ってしまった。
ついに、伝えてしまった。
怖くて顔が上げられなくて。
だけど、指先に残る神楽くんの温もり。
それがあたしの緊張を更に高めて
ポン、と戻ってきた紙切れに、ついに思考は停止した。
“答え”が、そこにはある。
今、あたしの目の前に。
息を飲み、これでもかって程に震える手を紙切れに伸ばす。
「よし、じゃあ今日の授業はこれで終わりだ。」
先生の声に
玲と桜井くん、クラスメートが跳ねるように起きた。
だけどあたしに
先生の声は届かない。
カサ、と音を立て
ルーズリーフを開いてゆく。
そして―――――…