恋 文 日 和
「よかったね、日和。」
「ん?」
隣に並ぶ玲が、歩幅を合わせながら口を開く。
「神楽と、両想いかー。いいなぁ、幸せそうで!」
「っもう!からかわないでよっ!」
恥ずかしくてポカポカと肩を叩くと
玲は声を上げて笑った。
神楽くんと桜井くんは、あたしたちの少し前を歩いて笑い合ってる。
そう、あの日。
背中に告白をしたあの日から
あたしと神楽くんは晴れて付き合う事になった。
だけど、まだその実感は湧かない。
相変わらず4人で居る事が多いからなのかな。
神楽くんの気持ちが、本当にあたしに向けられているのか不安になってしまう。
「あ、そう言えばさ!さっき俊介が言ってたんだけど!」
「何?」
尋ねたあたしに
玲は意地悪な微笑みを浮かべて言った。
「神楽が、どーして美咲ちゃんのチョコを受け取らなかったのかって話!」
「えっ!?」
「聞きたい?」
「きっ、聞きたい!何で!?」