恋 文 日 和
下駄箱に着いて上履きに履き替えると
「いった!」
騒がしい昇降口のど真ん中で、玲の声が一際響いた。
「ちょっと俊介!何すんのよ!」
「まだ目覚めてなかったみたいだったから起こしてやろうと思って。」
どうやら玲は頭をはたかれたらしい。
頭を押さえた玲の隣にはジャンプを手にした桜井くんが笑ってる。
二人はとっても仲良し。
だけど玲曰く、ただの男友達なんだって。
男友達なんて居ないあたしにはよくわからないけど…。
そんな時、
「神楽!」と突然桜井くんがあたしの後ろに手を上げた。
ドキン!!
その名前に、これでもかってくらいに心臓が音を立てる。
ど、どどどどうしよ!