恋 文 日 和


「あ、いい事思いついた!!」

「へ??」

真っ青な顔したあたしに
玲の怪しい笑顔が二ヤリと光った。

な、何!?
今度は何ぃー!?


「俊介ー!」

そんなあたしを尻目に、玲は桜井くんを呼ぶ。


友達の輪から抜けて来た桜井くんは

「何じゃい。」

と、ダルそうにあたし達の元へ歩み寄って来た。



「ちょっと耳貸して。」

「嫌だ。」

「何でよ、バカ俊!」

ぎゃあぎゃあと言い合いをしながらも、玲達の話は終わったようだ。
何か、色々もめてた気がしないでもないけど…。



「じゃあ、宜しくね。」

「おう。放課後な。」

…ほ、放課後??


不安の表情を浮かべるあたしに、戻って来た玲が笑う。



「恋も勉強も、疎かにしちゃーいけませんからね。」

「はいぃ??」

何の事やらわからないあたし。
答えは、放課後に隠されていた。



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