恋 文 日 和
「その代わり、高くつきますがね。」
と、口元を上げた桜井くんの笑顔に
「よかったね、日和!」
玲の笑顔が重なって。
「うぅ~…、みんな、ありがどー…、」
つい涙が溢れてしまった。
おまけに鼻水も出ちゃって、ここが神楽くんの部屋だという事も忘れて泣きじゃくるあたし。
何か神楽くんと同じクラスになって、いい事ばかり続いてる。
それだけでこれ以上ない程幸せなのに、こうやって言ってくれる友達までいて。
もしかしてあたし
人生全部の幸せ使っちゃたんじゃないの?
頭を撫でてくれる玲に抱きついて、そう思った。
そして、4人分のジュースをお盆に乗せ戻って来た神楽くんは
泣いてるあたしを見て
「何!?俺の居ない間に何があったの!?」
みんなに聞いていたけど、もちろん誰も教えてあげるはずもなく。
「何なんだよー!!マジ気になる!」
勉強どころじゃないし!
ふてくされる神楽くんに、みんなで笑った。
楽しくて、嬉しくて。
こうしてみんなで笑える時間が、永遠に続けばいいのに。
そう思わずにはいられなかった。