恋 文 日 和
その日から毎日、あたし達4人は神楽くんの家で話を交えながら、お互いに問題を出し合ったりして勉強に励んだ。
学校でも会えるのに、放課後も神楽くんと同じ時間を過ごせるなんて、本当に夢のようだ。
話すうちに、色んな神楽くんを知る事が出来て。
高い所は苦手だけど、ジェットコースターは大好きだとか
トマトは嫌いだけど、ピザに乗ってるトマトは食べられるとか
些細な神楽くんの一面が、あたしの心をほんのりと温かくしてくれる。
考えてる時に
シャーペンを器用に回す癖も
何か話を切り出す時に
「てかさ、」って言う口癖も
お腹が空くと
少し不機嫌になる子供っぽいところも
毎日毎日、新しい発見があったりして。
ほんの小さな事でも
神楽くんを知りたい、そう思う自分が
何だか急に恥ずかしくなったり。
とにかく、一日一日が
シアワセだけで溢れてた。
―――事件があったのは
ついにテストを明後日に控えた
夜の事だった。