恋 文 日 和


「おー、俊介!ジャンプ持ってきた?」

「あぁ、これでこの前のジュース代チャラな!」


すぐ後ろで繰り出される二人の会話に、煩いあたしの心臓は止まる事を知らない。

そんなあたしに玲が
ポンと肩に手を置いて

「神楽、おはよー!」

と彼に声を掛けた。


そしてあたしにも言えと言わんばかりに
肩を掴んで、振り返らせる。


ひぃーっっ!
玲のバカぁぁ~っ!!



で、でもでも!
ここは言わなきゃ不自然だよね!?


きょとん、とあたしを見下ろす神楽くんに
赤くなる顔を隠すように俯いて口を開いた。

よし、頑張れ!
『おはよう』って!

ほら、早く言えあたし!


せーのっ!!


「お、おは、おはは…!」

って、あたし噛み過ぎ!



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