恋 文 日 和
パラパラとアルバムを捲る桜井くんに
「ちょっと、勝手に見ていいの?」
と、あたしの気持ちを先に言ってくれた玲が頬杖をついて呟いた。
「大丈夫だって!俺何回か見てるし。」
「怒られても知らないからねー。」
溜め息をついた玲を横目に
あたしは複雑な気持ちで桜井くんを見る。
神楽くんの中学時代…。
ううう~、見たぁい!!
でもでも、玲の言う通り
勝手に見ちゃうのはなぁ…。
けど見たいー!!!
悪魔と天使が両耳で囁く。
『見ても平気だよ。』
『ダメだよ!勝手に見たら!』
でも、だけど、でも…。
葛藤する心の狭間で
「見ないの?」と尋ねてきた桜井くんに
「み、見る!」
いとも簡単に折れてしまうあたし。
だってやっぱり見たいんだもん!!