恋 文 日 和
誰だって、好きな人の事は何でも知りたいって思うはず。
最初は同じクラスに居るだけで幸せだったのに
仲良くなって、話す機会が増えて。
どうしてだろう。
『好き』が増えていく分、あたしは欲張りになっているみたい。
もっと、もっと
神楽くんを知りたい。
もっと、仲良くなりたい。
たくさん、喋りたい。
どんな些細な事でも
それが神楽くんに繋がるならって
そう、思ってた。
いつの間にか
シアワセに慣れすぎて
『恋をしてる自分』しか、見えてなかったんだ。
「わあ、若ーい!!」
アルバムに刻まれている幼い神楽くんは、今の大人びた感じとは違い
かっこいい、というより
“可愛い”って言った方が似合う笑顔だった。
だけどやっぱり、あたしの好きな笑顔だ。
もし中学の時に出会っていたら、あたしは神楽くんを好きになってたのかな?
そんな事を考えて
思わず、口元が緩む。