恋 文 日 和
そんな神楽くんを見て
「…ふふ、」
ほっとしたあたしも、玲達につられて笑いをこぼす。
「なーに笑ってんだよ、菊井まで!」
「だ、だって…ふふっ!」
あはは、と笑ったあたしの頭を神楽くんが優しくかき回した。
全然痛くない神楽くんの手のひらが、あたしの胸を締め付ける。
ねぇ、神楽くん。
あたし、わかっちゃった。
神楽くんを想うこの『気持ち』は
神楽くんがあたしに笑ってくれる限り、ずっと…ううん、永遠に
消えたり、しないって。
―――本当に、
神楽くんが好きって
あたし、わかっちゃったよ。
だって、こんなにも心がぎゅってなるのも
あたしを笑顔にして、幸せな気持ちにさせてくれるのも
神楽くん、ただ一人だけなんだもん。