恋 文 日 和
写真に写る、その寄り添う女の子は、誰?
聞けば、神楽くんは教えてくれると思う。
だけど聞けないのは、その事実を受け止められる自信が、あたしにないから。
弱虫の自分が、胸の真ん中に居座ってるから。
思い出なんて
過去なんて
誰でも所有してるのは当たり前だ。
過去のない人なんてどこにもいない。
わかってるのに
悲しい、なんて思うあたしはバカなのかな。
でも、好きな人の思い出を突きつけられてまで呑気に笑っていられる程、あたしは大人
じゃない。
『恋』の“こ”の字を知ったばかりの子供で。
神楽くんを想う事しか出来ない、告白する勇気すらない、ただの弱虫なのだ。
ねぇ、神楽くん。
この問題、あたしにはちょっと難しいよ。
答えを、見つけられそうにないの。
そもそも、答えなんてあるのかな?
…わかんないや。
あたしには、この問題
解けないよ…。