恋 文 日 和


だけどそんな笑顔も、たちまち消えてしまう。


写真も、夏休みも
あたしの心の黒い渦を大きく広げて。

神楽くんの大好きな笑顔も、真っ直ぐ見られない程。




夏休みに入ったら
神楽くんに、会えない。

そうしたら
あたしの事なんか、忘れちゃうんじゃないかな?

それで
夏休みに、彼女…なんか出来ちゃったりして…。



それこそ、どん底どころか

世界の果てに突き飛ばされて、立ち直れる気がしないよ……。



考える事
全てがマイナスになってしまうあたし。

ただでさえ、あの写真が引っ掛かってるのに
夏休み、って。





長過ぎるぅ……。




うう、ダメだぁ…。
考えただけで、涙が溢れそう。



もう、何もかもが
涙を誘う、道具でしかない。

目に見えるモノ全てに泣きたくなる。





まるで、アリ地獄にハマった気分。

何をしても
神楽くんを思い出しちゃうだもん……。




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