恋 文 日 和
デ、デートって…!
無理無理無理無理っ!
言葉にならないまま
ブンブン首を横に振っていると、
「なぁなぁ!」
ふいに届いた明るい声。
その声の先を辿る、あたしと玲。
「何よ、俊介!今大事な所なんだけどー!」
「いんや、俺の方が大事な用があんのっ!」
ぎゃあぎゃあと言い合いして、桜井くんはあたしに視線を向けた。
「日和ちゃんに、ね!」
「ほぇっ!?」
あ、あたしに?
ぽかん、と見上げるあたしに、にっこりと口元に弧を描いた桜井くんは、隣の席からガタガタとイスを寄せてあたし達の横に座る。
な、何だろう?
桜井くんとは同じクラスになってからよく話すようになったけど、玲や神楽くんが居る時じゃなきゃ話したりなんてしなかった。
まして
あたしに用って?